成年後見制度

  • この制度は、判断能力の不十分な方々の日常生活を尊重しつつ、これらの方々が契約等で不利にならないようにするものです。
  • 法務局に登記されるだけで、戸籍には記載されません。(プライパシーは保護されます。)
  • 家庭裁判所、後見監督人により後見人の仕事がチェックされるので安心して支援を受けられます。

後見人には2種類

●法定後見

家庭裁判所への申し立てにより、適していると認められる人を、後見人等に選びます。

●任意後見

判断能力があるうちに、任意後見人を定め、自分の判断能力が不十分になった場合に備えて「任意後見契約」を公正証書で結んでおきます。

後見人等ができる業務

後見人等ができる業務は、「生活や療養看護に関する事務」と「財産の管理に関する事務」があります。法定後見では、家庭裁判所が内容を決定し、任意後見では、契約する時に内容を相談して決定します。

1.生活や療養看護に関する事務
  ・介護サービスの利用契約
  ・医療(入退院)契約など
  ・各種福祉サービスの利用契約

2.財産の管理に関する事務
  ・不動産の管理・処分
  ・現金・預貯金通帳・証券等の管理

後見人の費用は・・・

1.法定後見の場合・・・
資力その他の事情によって家庭裁判所で決められ、ご本人の財産から支払われます。

2.任意後見の場合・・・
契約内容や依頼される方の事情によって決められますので、まずはご相談下さい。

 あなたの不安にお答えします。

Q:将来、認知症が進んで、年金の受け取りや医療費の支払いができなくなったら?

A:元気な今のうちに、年金の受け取りや入院の手続き、病院への支払、また支払のための財産の売却・賃貸などの委任について、任意後見契約で決めておけば安心です。

Q:すでに認知症が進んでいる父がいるのですが・・・。

A:まず、お父さんに判断能力があるかどうかを判断します。その結果、判断能力が不十分と判断された場合、家庭裁判所に対して法定後見開始の申し立てをします。その後、後見人がお父さんのサポートをします。

Q:主人が高額な借金を繰り返して困っています。

A:旧成年後見制度では、浪費者を準禁治産者とすることができましたが、新たな成年後見制度の保佐は、精神上の障害(認知症・知的障害精神障害等)で、事理弁識(判断)能力が衰えた方のみを 対象としますので、浪費者は対象ではなくなりました。

Q:後見人を付ければ、老人ホーム入所の保証人も大丈夫?

A:後見人・保佐人・補助人・任意後見人いずれも、入院・入所の保証人となることはできません。病院や施設等に相談をしてみる必要があるでしょう。

Q:父が認知症で不動産を処分したいのですが、成年後見制度の利用はできますか?

A:成年後見制度の利用は可能です。しかし、次の点に留意が必要です。
1.財産(不動産等)の処分の目的は何か?
2.誰のために処分をするのか?

成年後見制度は、本人のために財産管理・身上監護をする制度ですので、ただ単に財産を現金化することが目的での制度利用はできません。
本人の生活費や入院・入所費の支弁のために必要とする場合に、後見人等が後見監督人等の許可を得て処分することになります。

Q:認知症のお年寄りが近所に一人暮らししています。

A:法定後見の申し立ては四親等内の親族が行います。しかし、親族がいない、あるいは親族が拒否している等の事情がある場合には、市町村長が申し立てを行います。
厚生労働省による、「成年後見制度利用支援事業」によって、市町村長申し立てに関する要綱を作成している自治体では円滑に進みます。しかし、事業化していない自治体も多いのが実情ですので、市町村の福祉担当課へ問い合せされると良いでしょう。

このページの先頭へ